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熟年離婚について

熟年離婚は2007年頃から件数が増えてきており、日本の離婚件数を増加させている社会問題です。夫の厚生年金を離婚時に分割できるという年金分割制度が始まったのも2007年ですが、この2007年の増加は、これ以前の「専業主婦は離婚すると厚生年金を貰えない」というシステムに縛られて離婚をためらっていた専業主婦たちが制度に後押しされたために起こったものとも考えられます。離婚にはもちろん、それぞれ病むに已まれぬ事情はあるでしょうが、長年連れ添った夫婦の離婚がその後も増えているのはなぜなのでしょうか。

熟年離婚の増加には年金の分割制度が大きく関わっているのは分かりますが、もちろんそれぞれの夫婦に離婚原因はあります。中高年夫婦の離婚の原因としてよく挙げられるものに次のようなものがあります。これは一般的に見て離婚原因に多いものではなく熟年夫婦ならではのものを挙げています。夫の定年を前にした妻の場合、夫の定年後の生活が大きく変わり、自分の自由がなくなることや夫と二人きりの時間を不安や不満に感じることによって離婚を考えることがあります。一緒に過ごす時間が増えたために改めて考え方や価値観の差に気付く人もいるようです。年老いた配偶者の親を介護するタイミングも重なり、それも原因となることがあります。夫が熟年離婚を決めるのは、妻との精神的、肉体的なつながりの減少によってが多くなります。中高年となり性的欲求を感じなる女性は少なくありません。また、女性の飲酒が増えた現代社会で、妻の飲酒癖の悪化という理由もあります。

熟年離婚を言い始める割合としては、女性が圧倒的に多くなっています。子育てが一段落して夫は定年退職を迎えるという環境で、妻や母としての仕事が減り、やりがいを失うからでしょう。また、子どもが成人するまでは結婚生活を我慢して送り、責任を全うして離婚を切り出すタイミングを待っているという潜在的熟年離婚希望者も少なくありません。

熟年離婚は言い渡された配偶者にとっては寝耳に水であることが多く、話し合いや裁判も長引く傾向にあります。また決定的な原因が少ないことも特徴です。我慢できないほど決定的な理由はないからこれまで結婚生活を送ってきたものの、子育てやお金、社会的立場が関係なくなり我慢の必要もなくなるためであると考えられます。

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