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児童虐待は、近年大変重要な社会問題となっています。家庭での虐待は特に周囲から見えにくく、発見が遅れがちです。また虐待されている子どもはその親をかばったり、虐待しているということを隠したりすることもあり、実際に発見されている件数よりも虐待は多く行われていると見られています。虐待にもさまざまなタイプがあり、児童虐待で多いのは暴力、性的虐待、心理的虐待の他に、最近特に増えてきたネグレクトです。
ネグレクトとは育児放棄、育児怠慢のことで、子どもにとって必要とされる世話、管理、教育等を与えない、怠ることを指して言います。食事を与えない、風呂に入れないなどの衣食住、生活レベルから始まり、学校へ行かせない、部屋から出さないという社会環境に関わるものまでさまざまなものがあります。病気の子に医療機関で診察、治療を受けさせないということもあり、衣食住を含めて子どもの命に係わる危険な状態となっている場合も多々あります。
若い夫婦や初めての出産、育児に悩み、自分のしたことは虐待(ネグレクト)ではないかなどと不安になるケースもあります。慣れない子育ての疲れで手を抜いたことを気に病んでしまうパターンです。大抵は自分の思い込みで虐待のレベルではないことがほとんどです。自分の親や配偶者に話を聞いてもらって気晴らしをしたり、経験者である自分の親や親しい年長者に頼ったりするなど、一人で抱え込まない方法を見つけましょう。また離婚、子連れ再婚で新しい配偶者が連れ子に興味を持てず、だんだんと悪化していくケースもあります。どちらの場合も周囲から見えない家の中だけで起こることが多いので、不安を抱える若い親や初めて親になる人たちは行政などに助けを求めたり、相談したりすることが大切です。地域の保健センター、子育て支援センターなどが窓口となってくれます。また、知人、友人、近所の住民や学校などの周囲の人々は周りにいる子どもたちに関心を向け、少しでも不審な兆候があったら躊躇せず専門機関に報告するべきです。虐待や子育てに関する啓発運動も盛んになってきていますが、社会全体で関心を高めることが最も重要です。
子どもはとても弱い存在です。しかし、未来を担うとても大切な存在でもあります。大人は親だけでなく社会全体で子育てを考え、孤立しがちな若い夫婦とその子どもたちを支えることを意識的に始めるべきです。ネグレクトは核家族化や閉塞する社会によって孤立した親の助けを呼ぶ声のようなもの。地域や社会はまずは声に耳を澄ませ、親子に手を差し伸べる勇気を持ちましょう。