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近年、離婚率の増加が問題視されています。平成に入ってから年々離婚件数は増加を重ねてきており、平成14年の29万組を最高にその後の5,6年は緩やかに下降してきてはいますが、それでもやはり昭和の時代から見るとかなりの件数となっています。これには女性の社会的地位の向上や働く女性が増えたことなどとの関わりがよく取り上げられていますが、男女ともに結婚に対する思いや家族の結びつき自体が弱くなり、さまざまな家族形態や考え方が増えてきたことも多く関わっています。この離婚件数の増加や結婚件数の減少は少子化問題と合わせて憂慮されています。
離婚率の増加傾向は厚生労働省によって発表されている離婚等の年次推移のグラフなどをみると一目瞭然となります。昭和25年から昭和42年の間に少ない年では7万組前後で多くとも10万組より超えることはありませんでした。ところが昭和45年あたりを皮切りに緩やかに上昇のカーブを描き始め、ついに昭和56年頃から15万組を下回ることはなくなりました。平成に変わる前後で減少するかのように見えた件数は平成3年以降急激な増加を始め、平成14年には29万組と最高件数をマークするまでになったのです。平成7年以降20万組を割ることはなくなり、その後多少は減ったものの、社会問題として取りざたされるまでになっています。現在、3組あたり1組が離婚していると言われ、世界の諸外国には2組に1組という水準もあるとは言え、一昔前からは考えられない数値となっています。
離婚の種類別の割合は、協議離婚が例年高く、概ね90パーセント前後を占めていますが、平成15年以降は徐々に低下しており、裁判離婚の割合が増えてきています。平成16年に加わった和解離婚も徐々に増加しています。若い年齢の離婚は多く、若くして結婚した結婚年数の浅いカップルの離婚が目立ちます。また、熟年離婚という言葉もできたほど50代以降から退職前後の年配者の離婚も増えています。これは平成16年から始まった年金分割制度の影響もあると言えそうです。
結婚の必要性を感じない世代や離婚へのハードルが下がった現状がこの離婚率の上昇に拍車をかけています。また、コミュニケーションの能力が低いとされ、諦めの早い若年者層は夫婦の危機をうまく乗り越える術を多く持たず、結婚生活の維持がより難しくなっている印象も少なからず感じられます。