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民法には債務不履行と言う契約違反行為に関する規定があります。この規定はなんらかの約束や契約が交わされ他にもかかわらず、正当な理由もなしにその約束を守らなかった、実行しなかった時のためのものです。債務とは、この約束や契約のことを言い、それを履行しなかったという意味で使われています。これによって不利益を被った者は損害賠償などを請求できます。
債務不履行には、契約が付き物です。同じく損害賠償の分類になりますが、契約や約束などがない状態でただ単に違法性のあることをしてしまったことを不法行為といいます。債務不履行の態様には履行遅延(支払などが遅れること)、履行不能(契約、約束が守れなくなること)、不完全履行(契約、約束の一部しか守られないこと)の3つがあります。債務不履行の典型的なものは、婚約不履行、賃貸契約や売買契約の際の賃料滞納、代金不払いなどとなっています。これによって不利益を被った債権者は強制履行、契約解除、損害賠償などを請求することになります。
債務不履行では損害賠償が出来ると前述しておりますが、これには精神的損害も含まれることがあります。民法の債務不履行の部分に具体的には書かれていませんが、裁判所の判断で慰謝料の支払いを認められることがあるのです。婚約不履行にはこういった事例が多く、婚約と言う債務(約束)の不履行にあたって相手方がこうむる可能性のある最も大きな損害は、精神的なものだからです。もちろん、その婚約に際して会社を辞めた、同棲を始める費用を出したといった事柄があればそれによって相応の経済的損害もあわせて金額を考えられます。
民法や民事(家事)裁判は私たちの生活や人生に深く関わっている事柄を多く扱っています。そのため、柔軟な解釈や寛大な判決も時にはあります。法律は難しいものですが、複雑な分だけその解釈の仕方は豊富です。個々の事情をそこに反映し、正しい人を救済する筋道を考え出せるかもしれません。