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収入が低く生活が困難であるという理由で支給されるのが生活保護ですが、離婚を偽装することでこのセーフティネットを悪用しようとする動きが見られるようになりました。また、生活保護だけでなく児童扶養手当をも支給してもらおうという人もいることから、近年では問題視されています。しかし、個人の色恋沙汰に関するそれぞれの思惑や考え方を明確に測ることはできないため、法律で罰することは難しいとされています。偽装離婚に対する罰則は、公正証書元本不実記載などの罪に問われることで、5年以下の懲役や50万円以下の罰金と定められていますが、実際には目立った取り締まりがなされていないという現実があります。
偽装離婚のメリットには大きく分けて生活保護申請の許諾が得られやすいという点と、借金の連帯保証人から逃れられるという点の2種類があります。婚姻関係が保たれている場合には、家族としての収入として、夫婦それぞれの収入が合算された金額が各公共サービスの判断基準に用いられます。しかし、離婚した場合には各々の収入が分断されるわけですから、個人の収入額がこの判断基準に用いられるのです。したがって、生活保護の許可が得られやすくなります。借金の連帯保証人については、例えば夫が借金を作った張本人で、妻が連帯保証人になったとした場合には、離婚さえしてしまえば妻に連帯保証の義務が無くなるため利点と言えるでしょう。
デメリットとしては、保険料や住民税を二重に支払わなければならなかったり、生命保険などの契約も変更しなければならなかったりという点が挙げられます。法律で罰するのは難しくても、倫理的にしてはならない行為であり、一般的な生活を送っている人から見れば不公平ですので、世間の目は冷ややかになることに間違いありません。
法律で罰せられにくいという理由から借金を踏み倒すという目的で偽装離婚をする悪人も多いようですが、不正は不正です。セーフティネットを本当に欲している人も世の中にはいるはずですから、そういった方々のためにも、金銭を得るために不正に利用することはやめてください。