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戸籍関係の書類の中で、当事者などが届け出を出すと効力を持つものについて、過去に記入捺印などしてしまったが、現在その意思がないという時に不受理申出書を提出して、不受理申請をすることができます。当事者や関係者が複数関わる書類で当事者の一人がその他の当事者の意思に背いて勝手に提出してしまい、戸籍に影響を与えてしまうことの防止となります。
不受理申請が出来るものは戸籍に関係する書類で、婚姻届、離婚届、認知届、養子縁組届、養子離縁届となっています。これらの不受理申請は原則届け出をする人の本籍地で行いますが、他の市町村でも行えます。迅速な対応が必要な場合には本籍地で行うことが望ましく、他の場所で行うと本籍地のある市区町村役場へ送付される時間がタイムロスとなり危険です。申出のための用紙は市役所等の戸籍関連の係で手に入れられますし、ダウンロードサービスを行う市町村もあります。申請の中には不受理にしてほしい相手を明記したり不特定で出したりすることの出来るものもあります。例えば、相手方を特定した離婚届不受理申請は届け出た者が離婚届を提出すれば受理され、その後不受理届も失効しますが、不特定のものであれば、届出者が再婚した後にも効力が継続することになります。
不受理申請は、過去に書いてしまった(署名捺印してしまった)書類の届け出の受理を避けるためのものですが、偽造された届を受理させないために利用することもできます。もちろん、届の偽造は犯罪(有印私文書偽造罪)で逮捕、刑事罰もありますが、見た目では区別がつきにくいため、受理されてしまう恐れもあるのです。一度受理されてしまうと手続きが煩雑で時間もかかるため、こうした予防策も必要となるわけです。たとえ偽造はしていなくても、過去に書いた書類を本人の意思に背いて勝手に出すことも電磁的公正証書原本不実記録罪と言う犯罪です。失踪などで配偶者と連絡が取れない場合でも、勝手に離婚届を出したりすると犯罪となってしまいます。
判明すれば罪に問われ、無効となる書類だとしても、それを判明するために時間などの浪費は否めません。暴走しがちな関係者や意思の疎通が取れなくなりがちなトラブルを抱えている場合には、安全策として申請だけしておくことも必要かもしれません。