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家庭裁判所や簡易裁判所で話し合いの調整を行い、当事者間の歩み寄りを促す調停委員。彼らは裁判官や調停官とともに事件や紛争の解決策を当事者の言い分を聞き、良識的に解決を促します。さまざまな分野の専門家が集まっており、社会経験も豊富な人物で構成されています。そのため、紛争や事件ごとに専門性の合った人選が行われ、話し合いがスムーズにできる配慮がなされています。また夫婦関係の家事調停では男女1人ずつ入るようになっています。
平成24年現在の民事、家事合わせた調停委員の人数は述べ23,756人(4000人ほどが民事と家事で併任されています。)となっています。年代では50代、60代が最も多くなっており、調停の場での話し合いをまとめたり、内輪での揉め事の相談をしやすくするために人生経験の豊富さを重んじていたりすることが分かります。規則では40歳以上70歳未満となりますが、例外的に認められて70歳以上という委員もおり、反対に40歳代の構成比は一番低くなっています。職業では会社役員や会社員、自営業者などごく一般的な良識ある市民が多く、公認会計士、不動産鑑定士、弁護士といった専門的知識を持った士業もいます。
調停委員は、それなりの団体などから推薦され、選考されることになります。公募をしている裁判所はあまりありません。民事調停委員及び家事調停委員規則(最高裁規則)第1条でも書かれていますが、専門的な知識を持っている人や社会経験や知識が豊富な人という基準があります。また、欠格事項として禁固刑以上の刑を受けたことがある人はなれませんし、公務員や弁護士など職業や資格を持つ人が懲戒処分や除名などを受けてから一定期間は任命されることは出来ません。調停委員は非常勤でそれだけを職業としている人はあまりいません。多くの場合は社会的な立場があり、年配の人が多く、生活にもある程度余裕がある人です。
責任が重く、人々の生活や人生に大きな影響を与えるかもしれない立場ですから、人物重視で選ばれ、また生活のためというより使命感で臨む位の職であるべきなのでしょう。調停も人と人の関わりですから合う合わないはありますが、それぞれの調停の場で力を尽くしてくれることを期待しましょう。