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親権とは、未成年に達さない子供に対し、財産・教育に関しての義務や身分を父母が有する権利の名称です。離婚した場合、夫婦の関係が解消されるため、親権はどちらか一方のみが保持できる形となります。家庭が破綻しても尚、育児に関する意識を双方とも持っていたとしても、共同に親権者であり続けることは法律上できません。そのため、調停や裁判の場においては、慰謝料や財産などの金銭問題に並んで、頻繁に争われる対象となっています。
具体的な親権の内容としては、財産管理権・身上監護権の2種類が存在します。まず前者のものですが、こちらは「包括的な財産の管理権」「子どもの法律行為に対する同意権」からなります。権利や知識の伴わない未成年の子供に対して、代理人としての役割を担います。次に、身上監護権についてですが、こちらは「身分行為の代理権」「居所指定権」「懲戒権」「職業許可権」の4種類の権利が伴います。いずれも、成年に達さない子供の精神的・肉体的な成長のサポートに関わるものであり、親としての大きな責任が伴います。
こうした役割を全うすべく、親判において権利を獲得するためには、子供の利益を踏まえた主張が重要となります。例えば、子どもに対する愛情・収入などの経済力・代わりに面倒を見てくれる人の有無・親の年齢や心身の健康状態など親の監護能力などです。しかし、実際の判例から見ると、父親側に権利が与えられるケースは少なく、母親側が得る例は約8割にも上っているのが現状です。また、15歳以上の子供に関しては、本人の意向が反映されます。
ポイントを押さえ、各詳細を把握した上で調停などの裁判に臨めば、より親権を手にできる確率を高めることができます。子供の幸せを一番に考えるのであれば、やはり、離婚は理想的と言えません。しかし、破綻した夫婦関係・家庭環境で継続して育児に取り組むことと比較すれば、将来的なさらなる幸せに役立つケースも、十分に考えることができます。